自宅で中学受験?

中学受験を考えはじめた頃、10年程前、わたしの周囲では、中学受験をするなら早い時期から通塾する必要があると考えている人がほとんどでした。

それでも、わたしは、できれば通塾はしないで受験したいと考えていました。小学生が、夕食を自宅ではなく、塾で食べるなんて、あまりにも可哀想だと、思っていたからです。帰宅が、夜遅くなるのも心配でした。

また、成績でクラス分けされたり、塾によっては、テストの順位で席順まで決まると聞き、そんな環境で育つと、成績が何より重要だと考える子どもになってしまうのではないか?などという心配もありました。

進学塾不要論

そこで、中学受験に関する様々な本を読んでみました。やはり、塾通いが前提となる中学受験体験記が数多くあるなかで、大手進学塾に通うリスクについて書かれた本がこちら。

この本のおかげで、通塾はしなかったものの、低学年のうちから、中学受験向けの学習を自宅で行う際、子どもにマイナスの影響を与えないためには、どういった点に注意するべきなのかを知ることが出来ました。

大手進学塾に通う生徒たちのうち、偏差値60以上の学校に合格出来る上位15%ぐらいまでの子どもであれば良いけれど、それ以外の85%の子どもの場合、通塾により、かえってマイナスの影響を受けてしまうことがあると述べられています。

9歳、10歳の壁?

小学校三年生から通塾を開始し、塾の算数の問題を解く際、あまり理解できないままに、解き方のパターンを覚えて解くことを繰り返していた女の子の例が紹介されていました。

通常であれば、9歳、10歳の頃に伸びるはずの、抽象的、論理的思考力が伸び悩んだのでしょう。(いわゆる、9歳、10歳の壁)

低学年の頃は非常に優秀であったその女の子は、結局、高学年になってからは算数は苦手、学校で習うレベルの問題も理解出来ない状態となったそうです。

この例を知ったことで、自宅で学習する際に、理解が不十分な状態に陥らないように気を付けるようになりました。

算数の問題を説明する時に、具体的なものを使うようにしたのです。計算の説明ではタイルを用い、時計の問題では実際に目覚まし時計をぐるぐる回しながら解くという具合です。

また、中学受験に塾通いが必要だったとしても、算数の解法を覚えてから問題を解くスタイルの塾に通うのは、できるだけ後にしようと考えました。9歳、10歳の壁を乗り越えてから通塾する方が安全だと判断したからです。

それから、

国語の長文切り抜き問題

を解き続けるけとによる弊害についても書かれていました。

長文切り抜き問題とは、小説などの作品の全文ではなく、一部分を抜き出したものを読み、問いに答えるタイプの問題のことです。

長文切り抜き問題をどれだけ解いても読解力はつかないし、このタイプの問題を大量に解き続けると、分けのわからないまま、文中から答えを抜き出す癖がついてしまう、とのことでした。

そうならないために、国語の読解問題を解く際に、低学年のうちは、出題されている作品の本を図書館で借りたりして、作品の全文を読んで聞かせてから問題に、ゆっくり取り組むようにしていました。

高学年になってからは、問題を解いたあと、出題されている作品の本を読ませるようにしていました。中学受験向けの国語の問題に使われている作品は、魅力的なものが多かったようで、大体、本人が読みたがりました。

また、作品の全文を読ませてから解くタイプの国語の問題集も市販されているので、出来るだけ、そういうものを選ぶように心掛けていました。

これで、長文切り抜き問題を解き続けることによる弊害を防げたかどうかはわかりませんが、国語の成績は悪くはなかったです。

中学受験は自宅でできる

最終章には、自宅学習で中学受験をするために何をするべきかが、書かれています。

中学受験Bible

もう一冊紹介したいと思います。

何冊か読んだ中学受験体験記のなかでも、次の本は、低学年から受験直前まで折に触れて読み返し、大変参考になるものでした。

こちらは4年生の3学期から通塾して中学受験をされたお嬢さんの中学受験体験記です。

使用された参考書や問題集、勉強方法について、自宅で学習する場合にも参考になることが、多数書かれています。

受験直前期の親の心構えについても、書かれており、プレッシャーに押しつぶされそうだった直前期に読み返すことにより心の支えとなった名著です。(もちろん、プレッシャーに押しつぶされそうになったのは、子どもではなく、親の方です。)

また、この本では、塾の授業の素晴らしさが書かれています。塾に対して懐疑的だったわたしも、6年の志望校別特訓ぐらいは、通わせてもいいかも?と思うようになりました。

実際、6年生で通塾を開始してからの、塾に対する印象は、わたしたちにとっては、この中学受験BIBLEに書かれていることと、ほぼ同じでした。

マイナスの影響を受けてしまう子どももいるのかもしれませんが、塾での授業は素晴らしいものでした。上手く利用できれば、塾の授業は合格するための強力な助っ人となることは間違いないと思います。

中学受験向けの学習には注意して取り組まないと、子どもに悪い影響を与えてしまうこともあるでしょう。

それでも、子どもの、知的な発達を見極めながら、学習スタイルを決め、負担が大きくなり過ぎないように親が子どもをサポートすることで、中学受験を良い経験とすることが出来るのではないでしょうか。

また、低学年のうちから中学受験向けの勉強をはじめる場合、子どもの知的な発達を妨げないためには、それが自宅であれ、塾であれ、細心の注意が必要だと思います。